エロンゲーションってなに?ピラティスがはじめての方へ





エロンゲーションってなに?ピラティス初心者さんへインストラクターがやさしく解説

エロンゲーションってなに?
〜ピラティスがはじめての方へ、インストラクターからのお話〜

ピラティスのレッスンで
「身長あと1cm長く〜」
「つむじから引っぱられるように、遠くに〜」
そんな声かけを聞いたことはありませんか?

そのときに大切にしている考え方が、エロンゲーションです。

少し難しそうな言葉ですが、
実はピラティスの動きを支えている、とても大切な土台なんです。


無理に伸ばさなくて大丈夫ですよ

まずお伝えしたいのは、
エロンゲーションは「頑張って伸びること」ではない、ということ。

  • 背中をピンと張る
  • 胸をぐっと突き出す
  • 顎を上げて姿勢を作る

これらは一見、姿勢が良く見えますが、
体のどこかに無理がかかりやすい使い方です。

エロンゲーションとは、
今の自分の長さを、つぶさずに保つこと

背骨を引き伸ばすのではなく、
自然な長さを守るイメージを大切にします。


背骨は「一本の棒」ではありません〜骨と骨のあいだの隙間〜

背骨は一本の棒のように見えますが、
実際は小さな骨がいくつも積み重なってできています。

そしてその骨と骨のあいだには、
必ず「隙間」があります。

この隙間があるからこそ、
私たちは丸まったり、反ったり、ねじったりと、
しなやかに動くことができます。

エロンゲーションで大切なのは、
この隙間を「広げる」ことではありません。

もともとある隙間を、つぶさずに保つこと。

「伸びなきゃ」よりも、
「潰さないように動こう」
この意識のほうが、ずっと近い感覚です。


エロンゲーションが崩れている時に起きやすいこと

エロンゲーションが保てていないとき、
体はサボっているわけではありません。

むしろ、
どこかが頑張りすぎて、別の場所が動けなくなっている状態です。

反り腰|腰だけで頑張ってしまう

背骨全体で長さを保てないと、
腰を反らせることで「伸びている感じ」を作ろうとしてしまいます。

  • 腰が常に緊張している
  • お腹に力が入りにくい
  • 立っているだけで腰が疲れる

巻き肩|前側で背骨の隙間がつぶれているサイン

肩が前に入ると胸が閉じやすくなり、
背骨の前側の隙間がつぶれやすくなります。

  • 呼吸が浅い
  • 首や肩が重い
  • 胸が開きにくい

エロンゲーションがうまくできない時は?

最初からエロンゲーションの感覚がうまくつかめなくても、
まったく問題ありません。

エロンゲーションは「知識」ではなく、
体で感じていく感覚だからです。

ただし、
少し難しいエクササイズに入るときに、
エロンゲーションの意識が弱いまま続けてしまうと、

  • 狙っている場所に効きにくい
  • 余計なところが頑張ってしまう
  • 動きの質が下がってしまう

そんなことも起こりやすくなります。

そのためレッスンでは、
いきなり難しい動きに入るのではなく、

簡単なプレピラティスと呼ばれるエクササイズを先に行い、
エロンゲーションの感覚を呼び起こしてから
メインの動きに入ることが多いです。

これは、
イヴ・ジェントリーが作ったクラシカルピラティスよりも
さらに取り組みやすい準備運動のような位置づけ。

体に「この感覚だよ」と思い出させてあげてから動くことで、
エクササイズの効果がぐっと高まりやすくなります。


まとめ

エロンゲーションは、
正解・不正解を決めるものではありません。

エロンゲーションの感覚を一緒に育てていきましょう!

少しずつ、自分の体の中で
「これかな?」が増えていくことが大切です。


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